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いいひと。感想。90年代以降いちばんの傑作。

ohanamistd
引き続きお花見(あいさつ

いいひと。/高橋しんさん

いいひと。っという漫画が大好きです。90年代以降の漫画でこれを越えるものは今のところないと思っています(もちろん、この手の言及は「私にとっては」っという意味しかありませんが。

漫画が考えずに読めるメディアになる前の、ある意味では牧歌的で、ある意味では誠実だった頃に生まれた物語。

業界最大手のスポーツメーカー、ライテックスに北海道から(ああ、高橋しんといえばいつもの北海道笑)夢を持って入社した北野優二と、札幌に残された遠距離恋愛中の桜妙子と、そして北野ゆーじのまわりの多くの、ほんとうに多くの人たちのお話。この作品に登場するすべての人たちが、それぞれに、何かを見つけて、今日あたらしい一歩を踏み出していく、それぞれの大きさの一歩を踏み出していく、そんなお話。

この作品にはたくさんの人が登場して、そのひとりひとりが悩んで、見つけて、一歩踏み出して、有機的に関わりあっていきます。そうして登場したひとりひとりが、毎回単行本の裏表紙に集合して、みんなが笑っている。この集合写真がきっと高橋しんさんが描きたかったもの、そのものなのだと想像します。そして、それぞれの物語の先にあるのは・・

(最終話「きみのうたはぼくのうた。」)

新人漫画家がこれほどスケールの大きい作品を描くことが可能だったというのがとても信じられないほどのすさまじさです。単行本26巻の長さの中で物語の序盤から最後まで機能して破綻しない伏線があったり、作中のライテックスの企画の現実味だったり、北野優二にとっての「自然な生き方」の揺るぎない論理であったり、しかもそれが言葉で明確に納得できる形で示される点であったり。これは単なる想像ですが、この作品は北野優二と同じように、高橋しんさんのまわりのたくさんの人たちが関わってできあがったものなのではないかな、っと。もちろん、それこそおとぎ話的ないいはなし。ではありますが。少なくとも、shin presentsというスタジオ形式を高橋しんさんはとっていますよね。

もうなんだか読むたびに感心してしまうところ。
●登場人物の多さ、そのひとりひとりに中身がある。
●毎単行本の裏表紙の集合写真。
●デジタル作画のさきがけ?なんでしょうか。写真取り込みとかも結構ある。
●ライテックスの企画の説得力のあるおもしろさ。
●企業を取り巻く社会問題の説得力。
●北野ゆーじがハーレム的な展開だけども納得できる。
●物語に直接関係しない「遠距離恋愛中の彼女」が主人公として機能している。
●揺るぎないテーマとその論理。
●足の太さ(これぞ高橋しんですね笑
●絵。線。通常頭身絵も、二頭身絵も。

いいひと。以降の高橋しんさんはロリファンタジー路線(笑でしたが、また駅伝の連載を始めるみたいですね。「あの頃」の物語が戻ってくるんでしょうか。それはあんまり期待していませんが笑 なんといっても絵柄がスマートになりすぎちゃいましたよね。残念なところですが、時代ですかね。

しかし、これだけの漫画が傍掲示板界隈でも話題にならないあたりが個人的におもしろいところではあります。

:)

マエケンメジャー二打席目でホームラン笑
ムエンゴエースかつジエンゴエースですからね!6回無失点の内容にもっと触れてあげてくださいね。

にゃー。